転生幼女と宰相パパは最強コンビ
第三章 あたちのあいらちしゃに、おちょれおののくがいい!
手紙を出してから三日後。イヴェリオがリリカの部屋に来た。

「リリカ、これを書いたのは君だろう」
「……あい」

 なぜ、バレた。まずいことでもしたかと思っていたら、イヴェリオはリリカの頭に手を置く。

「ありがとう。助かった――工事が始まるから、数日うるさいかもしれない」

 そう言い残したイヴェリオは、もう一度リリカの頭に手を置いてから部屋を出ていく。
 差出人がリリカであると字でわかってしまうとは、リリカは気づいていなかった。
 窓から外を眺めてみれば、工事を始めると言ったイヴェリオの言葉通り、工事人や庭師のドミが、今まで使っていなかった場所の土を掘り起こしている。

「ドミ、なにちてるの?」
「……新しい植物、植える」

 窓を開け放ち、そこから声をかけると、ドミは短く返してきた。
 ほうほう、とリリカはうなずく。

(さっそく実験を始めるわけね。まあ、参考図書の置いてある場所も書いておいたしねー!)

 ここには立役者であるトワがいないのが残念だ。
 呼び出せたにしても、一分しか側にいてくれないので、毛並みを堪能することはできない。

(いや、今呼んじゃおうか!)

< 76 / 265 >

この作品をシェア

pagetop