転生幼女と宰相パパは最強コンビ
第一章 しょれはとってもふほんいなのでしゅ
部屋から連れ出された茜は、何やら車のようなものに乗せられた。
優しく男性の腕に包まれていたが、やたらがたがたする車だったことは覚えている。
泣き疲れてうとうとし、空腹に目を覚まして、またぐすぐす言う。
茜としての記憶はしっかりとあるのに、身体はいうことを聞いてくれなくて、気持ちのままに泣いたりわめいたりしてしまう。
「……こういう場合、どうしたらいいのだ?」
「お腹が空いているんでしょうね、近所に赤子のいる家がないか聞いてきます」
「いや、私が連れて帰ろう」
男性同士の声で、話し合っているのが聞こえてくる。
お腹が空いているだけではなくて、お尻も気持ち悪いのだが――いや、ここでお尻を剥(む)き出しにされても困る。気持ちは二十代だ。
「イヴェリオ様、お屋敷に連れていくんですか?」
「マーサは、子供を育てたことがあるからな。とりあえず、彼女に任せよう。安易なところに預けて、奪われるわけにはいかないからな」
マーサって誰だ。だが、疑問を口にすることはできなかった。赤子の口は、言葉を発するのには向いていないので。
優しく男性の腕に包まれていたが、やたらがたがたする車だったことは覚えている。
泣き疲れてうとうとし、空腹に目を覚まして、またぐすぐす言う。
茜としての記憶はしっかりとあるのに、身体はいうことを聞いてくれなくて、気持ちのままに泣いたりわめいたりしてしまう。
「……こういう場合、どうしたらいいのだ?」
「お腹が空いているんでしょうね、近所に赤子のいる家がないか聞いてきます」
「いや、私が連れて帰ろう」
男性同士の声で、話し合っているのが聞こえてくる。
お腹が空いているだけではなくて、お尻も気持ち悪いのだが――いや、ここでお尻を剥(む)き出しにされても困る。気持ちは二十代だ。
「イヴェリオ様、お屋敷に連れていくんですか?」
「マーサは、子供を育てたことがあるからな。とりあえず、彼女に任せよう。安易なところに預けて、奪われるわけにはいかないからな」
マーサって誰だ。だが、疑問を口にすることはできなかった。赤子の口は、言葉を発するのには向いていないので。