婚約破棄したいなら、それなりの努力をなさいませ?

03

「じゃあ、私と結婚してくれますよね?」

「いや…それは…」

「やっぱりユリア様が反対するからダメなんですか?どうしてイジワルなユリア様に従うの?」

エディール王子をじっと見つめるユリア。
ほうほう、こうして王子のハートを射止めたんだな。
やっぱり男性は女性に見つめられると恋に落ちるんだ…メモメモ。

「…ユリア…助けて…」

しかし、エディール王子はなぜかユリアに助けを求めた。
え?なんで?

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

大きな大きなため息をつくユリア。

「もう…エディール様は本当に優柔不断なんだから」

という小さなつぶやきは、たぶん私にしか聞こえていない。

「ミオナ様、エディール王子が困っておられますわ」

「困らせてるのはユリア様でしょう?ユリア様が許可すれば、私たちは結婚できるんだからっ!」

「それは大きな勘違いです。
そもそも、第二王子であるエディール様の婚姻は、個人で決められる問題ではありません。
ガルビア国繁栄のために、慎重に選ばれるべき事柄で、国王様がお決めになることですわ」

そりゃそうだ。
うんうんと頷いてしまう私。

「そうやってまたイジワル言う…」

いや、イジワルじゃないだろ。

「ユリア様はエディール様のことが好きだから、理由をつけて私との仲を認めないのでしょう?」

「認めるもなにも…私にそのような権限はございませんわ」

話は平行線。
ユリアの説明がミオナに通じないんだもんなぁ。
エディール王子は何してるんだろ?
あ、まだオロオロしてる。
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