君ともう一度、 恋を始めるために
柚葉が倒れる
火事から半月がたち、季節は冬。
寒くなるまでにはと思っていた旅館の修繕もなんとか目途が立った。
入院していた祖母も自宅に帰ってきて、少しずつ動けるようになっている。
何もかもが以前のままというわけにはいかないが、ゆっくりと元の暮らしを取り戻しつつある。
「柚葉さん、新しい家具の搬入が終わりました」
「はい、ご苦労様です」
営業再開に向けて、旅館のスタッフも忙しく働いている。
火事で建物が消失することがなかったとはいえ、煙をかぶってしまった家具や備品はすべて交換するしかなかった。
火災保険でいくらかの保証が出たが、小さな旅館にとっては重たい負担だ。
しかし、それも訪れてくださるお客様のためには必要な出費。
柚葉は祖母から預かった旅館の貯えからその費用を捻出した。
寒くなるまでにはと思っていた旅館の修繕もなんとか目途が立った。
入院していた祖母も自宅に帰ってきて、少しずつ動けるようになっている。
何もかもが以前のままというわけにはいかないが、ゆっくりと元の暮らしを取り戻しつつある。
「柚葉さん、新しい家具の搬入が終わりました」
「はい、ご苦労様です」
営業再開に向けて、旅館のスタッフも忙しく働いている。
火事で建物が消失することがなかったとはいえ、煙をかぶってしまった家具や備品はすべて交換するしかなかった。
火災保険でいくらかの保証が出たが、小さな旅館にとっては重たい負担だ。
しかし、それも訪れてくださるお客様のためには必要な出費。
柚葉は祖母から預かった旅館の貯えからその費用を捻出した。