君ともう一度、 恋を始めるために
再会
親友の正体
周囲の助けもあり、引っ越しの荷物整理や転居転入などの事務手続きは半月ほどでほぼ完了した。
住むところは祖母の家の離れに以前従業員宿舎として使っていた部屋が空いていたためそこを借りた。
そもそも柚葉ひとりの事ならそう急ぐ必要もなくゆっくりとアパートを探せばよかったのだが、莉奈の保育園入園のことを考えるとあまり悠長なことも言っていられなかった。
それに涼がすぐ近くまで迫っている今、一刻も早く莉奈の生活を安定させてやるのが最優先事項に感じられた。
そんな引っ越しから1ヶ月ほどが経ち10月に入ったばかりのある日、柚葉は恭介に呼び出された。
たまたま九州へ出張できているから会いたいと連絡をもらい、迷う気持ちはありつつも福岡へと向かった。
以前から恭介とは風見鶏の従業員と客という関係でしかなかったため一緒に食事に出ることもなかったが、今の柚葉には恭介に聞きたいことがあり会うことにした。
それは、涼に何を話したのかということ。
疑いたくはないが、恭介とマスター以外に柚葉が門司にいることを知る人間はいない。
いくら実家のある下関に近いとはいえ偶然出会うとは考えにくく、友人である恭介が話したのではないかとしか思えなかった。
もちろん口止めをしていなかった以上恭介を責めるつもりは無いが、莉奈の出生については改めて口止めしておきたかった。
住むところは祖母の家の離れに以前従業員宿舎として使っていた部屋が空いていたためそこを借りた。
そもそも柚葉ひとりの事ならそう急ぐ必要もなくゆっくりとアパートを探せばよかったのだが、莉奈の保育園入園のことを考えるとあまり悠長なことも言っていられなかった。
それに涼がすぐ近くまで迫っている今、一刻も早く莉奈の生活を安定させてやるのが最優先事項に感じられた。
そんな引っ越しから1ヶ月ほどが経ち10月に入ったばかりのある日、柚葉は恭介に呼び出された。
たまたま九州へ出張できているから会いたいと連絡をもらい、迷う気持ちはありつつも福岡へと向かった。
以前から恭介とは風見鶏の従業員と客という関係でしかなかったため一緒に食事に出ることもなかったが、今の柚葉には恭介に聞きたいことがあり会うことにした。
それは、涼に何を話したのかということ。
疑いたくはないが、恭介とマスター以外に柚葉が門司にいることを知る人間はいない。
いくら実家のある下関に近いとはいえ偶然出会うとは考えにくく、友人である恭介が話したのではないかとしか思えなかった。
もちろん口止めをしていなかった以上恭介を責めるつもりは無いが、莉奈の出生については改めて口止めしておきたかった。