神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
第1部 神託と皇太子
私の名前は、エミリア・セラフィーナ。
小さい頃から、不思議な力を持っていた。
枯れたお花を咲かせたり、汚れた水たまりを澄んだ水にしたり。
それが当たり前だと思っていた私は、嬉々として母に報告した。
「ねえねえ、お母さん。今日もまたお花が咲いたよ。」
けれど、母はいつも決まって、眉間にしわを寄せて言った。
「そういうのは不気味だから言わないでちょうだい。」
……どうやら、信じてはくれなかったらしい。
いや、信じたからこそ、怖かったのかもしれない。
村では“神様に選ばれた子供”なんて呼ばれたけれど、
その実態は――怖がられて、距離を置かれるだけだった。
でも、私はそれでも平気だった。
お花が咲くのを見て、小さく笑ってくれる人がいれば、それだけで。
それだけで、私は神様の力を信じていられた。
小さい頃から、不思議な力を持っていた。
枯れたお花を咲かせたり、汚れた水たまりを澄んだ水にしたり。
それが当たり前だと思っていた私は、嬉々として母に報告した。
「ねえねえ、お母さん。今日もまたお花が咲いたよ。」
けれど、母はいつも決まって、眉間にしわを寄せて言った。
「そういうのは不気味だから言わないでちょうだい。」
……どうやら、信じてはくれなかったらしい。
いや、信じたからこそ、怖かったのかもしれない。
村では“神様に選ばれた子供”なんて呼ばれたけれど、
その実態は――怖がられて、距離を置かれるだけだった。
でも、私はそれでも平気だった。
お花が咲くのを見て、小さく笑ってくれる人がいれば、それだけで。
それだけで、私は神様の力を信じていられた。
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