神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない

第８部 魔女の黒霧城 カストル・ノクティス

「魔女・クラリーチェは、嘆きの森の中にある**《カストル・ノクティス》**にいます！」

その言葉に、玉座の間の空気が一瞬で凍りついた。

「カストル・ノクティス……」

レオナルトが低く呟いた。

「かつて、魔女たちが夜ごとに儀式を行ったという、呪われた城の名だ。」

「なんて場所に……」

私は思わず、胸元をぎゅっと握った。

「そこは、魔女族が最期の抵抗をした聖戦の地。普通の者は近づいただけで、精神を蝕まれるという……」

国王が唸るように言った。

「そこに隠れていたとはな。クラリーチェめ……」

「行くよ。俺が、エミリアを守る。そして、クラリーチェを……倒す。」

レオナルトは私の手を取り、決意をにじませた瞳で言った。

「……でも、気をつけて。」

私は小さく頷いた。

「クラリーチェは、サエルヴァの血族。最後の魔女の一人よ。」

レオは私を優しく抱きしめた。「大丈夫。君がいる限り、俺は闇に呑まれない。……信じてる、エミリア。」