片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
1・高校時代
『高校生誘拐監禁事件の続報です』
ヘアアイロンを使って肩までの長い茶髪をくるくる巻き、胸元のブラウスは第2ボタンまで開ける。
手首には髪をいつでも纏められるようにピンク色のシュシュをつけ、スカートの裾は膝上5cmまで折り曲げてピンで固定。
お湯で落ちる赤のネイルを爪に塗ってナチュラルメイクを施した私は、立ち入り禁止の屋上に続く階段に座ってスマートフォンを凝視していた。
「豊臣愛奈。また君か……」
名前を呼ばれ、すぐさま顔を上げて学ラン姿の男子学生に笑顔を見せる。
彼の名前は戸川圭信。
いつも不機嫌そうに歪められた瞳と眼鏡がトレードマークの、真面目が服を着て歩いていると有名な風紀委員長だ。
彼とは小学校の時からの付き合いで、校則違反をしまくる私に、暇さえあれば風紀を乱すなと注意してきていた。
「はろー。毎度のことながら、ご苦労さま」
「逃げ隠れしても無駄だぞ。この学園に、僕の目が届かぬ場所はない」
「えー? ほんとに、そう? 女子トイレまでは、入ってこられないじゃん」
「ぐ……っ。そ、れは……!」
「あははっ。私の勝ちだねー」
ヘアアイロンを使って肩までの長い茶髪をくるくる巻き、胸元のブラウスは第2ボタンまで開ける。
手首には髪をいつでも纏められるようにピンク色のシュシュをつけ、スカートの裾は膝上5cmまで折り曲げてピンで固定。
お湯で落ちる赤のネイルを爪に塗ってナチュラルメイクを施した私は、立ち入り禁止の屋上に続く階段に座ってスマートフォンを凝視していた。
「豊臣愛奈。また君か……」
名前を呼ばれ、すぐさま顔を上げて学ラン姿の男子学生に笑顔を見せる。
彼の名前は戸川圭信。
いつも不機嫌そうに歪められた瞳と眼鏡がトレードマークの、真面目が服を着て歩いていると有名な風紀委員長だ。
彼とは小学校の時からの付き合いで、校則違反をしまくる私に、暇さえあれば風紀を乱すなと注意してきていた。
「はろー。毎度のことながら、ご苦労さま」
「逃げ隠れしても無駄だぞ。この学園に、僕の目が届かぬ場所はない」
「えー? ほんとに、そう? 女子トイレまでは、入ってこられないじゃん」
「ぐ……っ。そ、れは……!」
「あははっ。私の勝ちだねー」