片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
7・初めて肌を重ね合わせて
「ずっと君を、抱きたかった……」

 私の言うことなんて一切聞く耳を持たない彼は首筋へ顔を埋め、さっそく噛みついてきた。

「……ん……っ。ちょっと……!」

 再会した時襲われかけた時といい、電車の中でのハプニングといい……。
 圭信は私に所有印をつけるのが大好きみたいだ。
 ピリリとした痛みにくぐもった声とともに反応を示せば、彼も興奮しているらしい。

「はぁ……っ。愛奈、綺麗だ……!」

 色っぽい呼吸を吐き出した彼は恍惚とした表情でそう告げると、服の下に隠された肌に触れた。

「僕のことしか、考えられないようにしてやる。覚悟しろ」

 彼の瞳には強い執着心と、愛情が見え隠れしている。
 それが嬉しくて堪らない。

 ――圭信は異常としか思えぬ屈折した感情を抱くほど、私を愛してくれたんだ……。

 もっと早くに教えてくれたら、これほど長い間離れ離れにならなくて済んだのだろうか? 

 そんな後悔は、彼の指先から伝わる熱によってあっという間にどうでもよくなった。
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