片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
10・初夜
「疲れたー!」

 両家の両親に挨拶して、その足で婚姻届けを提出しただけだけどさ。
 慣れないことはするもんじゃないね。
 どっと疲れちゃった。
 私はベッドにダイブして、ゴロゴロと左右に転がる。

「行儀が悪いぞ」
「えー。いいじゃん。圭信しか見てないんだし?」
「いいのか」
「何が?」
「下着が見えている……」

 口元を抑えながら視線を横にずらして見ないようにしているが、しっかり指摘してくるあたりが圭信らしい。
 ――酔っ払っていたら、下着の色まで文句を言うんだろうなぁ……。
 圭信との言い争いは、嫌いではない。
 むしろ、好きだった。彼の感心が自分に向いている証拠だからだ。

 圭信に愛されている。
 そんな優越感に浸った私は、あえてそれを見せびらかすようにパタパタとスカートの裾を動かして彼を誘う。

「別にいいじゃん。減るもんじゃないし」
「いつもそのまま、外出を?」
「うん。見られたって、どうってことないし」
「盗撮が怖くないのか……?」

 愕然とした様子でこちらを見つめてきた圭信の質問に、私はあっけらかんとした態度で答える。

「なんで私が、変質者に気を使わなきゃいけないわけ? 悪いのはあっちじゃん」
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