【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
○二話
恋人のフリはドキドキの連続?
「えっ、元旦那さんが来たーっ!?」
「うん。やり直したいって……」
翌日私は、眞紀人くんの話を昨夜の出来事を含めて同僚である明日那に話した。
「そうなんだ……」
「今更やり直したいとか、何様のつもりって感じだよね。浮気したのは向こうなのにさ、今更なんなのって感じ」
本当に憂鬱に感じる。 今度はいつ現れるのかと、気が気でない。
「でね、実は明日那に聞いてほしいことがあって」
「聞いてほしいこと?」
私はホットコーヒーを一口口にすると、「実はさ、ちょっと訳あって……今私に恋人がいるってことになってるんだよね」と話したら、明日那は「ん? どういうこと?」と聞き返してくる。
「実は文晶が現れた時、私のことを助けてくれた男の人がいてね」
「助けてくれた?」
「うん。 文晶の前では、その人と付き合ってるってことになってるんだよね」
自分でもおかしなことを言っているのはわかってはいるのだが、明日那にだけは話しておかないとよりややこしくなりそうだった。
「なるほどねえ。 つまり、恋人のフリをしてもらってるってことね?」
私はホットコーヒーを再び口にしながら「うん、そういうこと」と頷く。
「まあ、事情はわかった。 元旦那の前では、その人と付き合ってるってことにしておけばいいってことね」
「そうそう。 そういうこと!」
明日那は「しかし、離婚して八カ月経ってやっと他人になったってのに、元旦那に付きまとわれるのは困るよね。自由になれたのにさ」と共感してくれていた。
「まあね……。まあ、文晶のことは本当に好きだったけど、もう未練なんてこれっぽっちもない」
「そりゃ、浮気したんだからそうでしょ」