【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
○一話
年下のイケメンくん
私は「本当、離婚して正解だった」と呟く。
「菫花はもう再婚とか、考えてない感じなの?」
再婚……? 再婚ねえ……。
「いや、ない。 もう結婚なんて懲り懲り」
今さら結婚とか、もういいかな。 もう裏切られたくないし、手続きとかめんどくさいし……。
「でも恋愛とかはしたくならない?」
「……もういいかな、恋は。 恋愛とか結婚って疲れるし」
一人で好きなように生きていく方が断然楽だし、何にも縛られなくて済むから楽だ。
「菫花、まだ若いのに諦めちゃうの? 早くない?」
「諦めた訳じゃないけど、しばらくはいいかな。 しばらく一人で生きていきたい」
何にも縛られたくないのが本音だし。
「そう。 ま、気長に生きるとしましょうよ」
「そうね。 人生百年時代だし、気長に生きることも必要よね」
文晶と離婚してから、何もかもが楽になったのは確かだった。
愛とか恋とか、そういうのはもう懲り懲りかな。 私はやっぱり、恋愛には向かなかったのかも。
結婚も不適合だと思うし、割に合わない気がする。
「まあ、いい人がいたら考えたいけど、今はいいかな」
「いい人いるといいわね、菫花」
「うん、ありがとう」
明日那は優しいから、応援してくれるみたいだ。
「じゃあ私、こっちだから」
「じゃあまたねー、お疲れ!」
「うん、またね」
明日那と別れてアパートの方面へと歩き出す。
「アイツ、今どうしてるのかな」
離婚してから、文晶とは連絡を取っていないから今どうしてるのかもわからない。
離婚届は出してくれたみたいだから、離婚は成立したけど、あの後どうしてるのかな。
まあ、気にすることないか……もう他人だし。