【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
○七話

偽恋人から本当の恋人へ



 眞紀人くんは「ありがとう」と微笑む。

「そういや……話したいことがあるって言ってたけど、どうしたの?」

 眞紀人くんにそう聞かれてそうだった、と思い出しお箸をお皿に置く。

「あのね、私の友達が眞紀人くんに会いたいらしいんだけど……今度会ってくれる?」

「え? 会いたい?俺に?」

「うん」

 眞紀人くんは「俺に会いたいなんて、菫花さんの友達も物好きなんだね」と言ってくるから、「あ、一応言っとくね?眞紀人くんとの関係は、その子には話してるの。 だから、眞紀人くんが私の偽の恋人だってことは知ってるの」と付け加えておく。

「なるほど、そういうことね」

「そうそう。 それを知った上で、眞紀人くんに会いたいんだって」

 明日那のことを話したら、眞紀人くんは「んー、まあいいけど」と言ってくれる。

「あ、本当? 一応、友達には文晶に付き纏われて困ってるところを、眞紀人くんが助けてくれたってことを話してるの。 眞紀人くんが私を文晶から遠ざけるために、恋人のフリをしてくれてることも話してるから」

「なるほど。理解した」

「さすが、飲み込みが早いね」

 私は再びお箸を手に取り、お好み焼きを食べ進める。

「ねえ、菫花さん」

「ん?」

 私は眞紀人くんに視線を向ける。

「どうせ俺のこと紹介するならさ、ちゃんとしだ恋人゙として紹介してよ」

「………。えっ?」

 一瞬眞紀人くんに言われた意味がわからなくて、頭の中にハテナが浮かぶ。

「えっと……ごめん、どういう意味?」

「そのままの意味だけど? どうせなら偽の恋人じゃなくて、正式な恋人として紹介してほしいよ、俺は」

 ゙正式な恋人゙として……? 

「えっと、それって……?」
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