【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
○八話

キスのその先の快感



「え、そうなの……?」

 それは意外だった。

「菫花さんは、金髪にしたことないの?」

「ないよ。……する勇気もなかったし、したいと思ったこともないかな」

 ソファに座った私に、眞紀人くんは「ふーん。……でも、菫花さんはそのままがいいと思うよ」と言ってくれる。

「……え?」

「俺は別に、どんな髪型してもいいと思うし、どんな髪色してもいいと思う。 その人に似合う髪色なら、どんな色でもいいと思う」

「そっか」

 眞紀人くんは金髪が似合うから、私は眞紀人くんにそのままでいてほしいと感じる。

「菫花さんには、金髪なんかよりこういう髪色のが絶対に似合うと思うよ」
 
「そうかな……?」

 眞紀人くんはそんな私の髪の毛を優しく触りながら「そうだよ。 菫花さんは、こっちの髪色の方がいい」と微笑んでくれる。

「……ありがとう、嬉しい」

「まあでも、金髪姿も見てみたい気がするけど」

「本当に? もし金髪にしても褒めてくれる?」

 そう聞くと眞紀人くんは一瞬考えたような顔を見せるけど、「んー、それは見てからかなあ」と答えてくれた。

「じゃあ、もし金髪にする時には一緒に美容院行ってね」

「いいよ、別に」

「約束ね?」

「わかった」

 眞紀人くんといると、楽しい。 あっという間に時間が過ぎちゃう。 

「眞紀人くん……?」

 眞紀人くんは私の身体をそっと抱き寄せる。

「……大好きだよ、菫花さん」

 私も眞紀人くんの背中に腕をそっと回して「うん……」と静かに頷く。
 お互いに少し見つめ合うだけで、緊張して照れくさくなる。

「ん……」
  
 触れるくらいのキスをした後、眞紀人くんは私をベッドへと連れていき、そっと押し倒す。
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