【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
○十一話
送りつけられた婚姻届
「待って。意味、わかんない……」
その速達の中身は、文晶から届いた記入済みの゙婚姻届゙だった。
「え、なに……。どういう、つもり……?」
なんなのよ、この婚姻届は……。
「……気持ち悪い」
そう思った時、私のスマホのバイブが震え始める。
「……っ!」
スマホの着信は、知らない番号からだった。 でも私は、この番号を知っている。
「……はい、もしもし」
私はその番号の着信に出た。
「あ、菫花? 俺だよ」
「……文晶」
やっぱり、この番号は文晶だった。
「もう届いたよな?婚姻届」
「……どういうつもり?」
別れた元妻に記入済みの婚姻届を送り付けてくるとか、異常すぎる。……本当に、気持ちが悪い。
「どういうつもりって、わかるだろ?」
「ふざけないで!……なんなのよ、あれ」
私への嫌がらせなの……?
「菫花、忘れたのか? 明日は俺たちの゙結婚記念日゙だっただろ?」
「……は?」
結婚……記念日? そうだ、確かに明日は私たちの結婚記念日だった。
「まさか、結婚記念日忘れたとか言わないよな? 俺たちの大切な日なのに」
私は身体がゾッとした。 気持ちが悪くて仕方ない。
「……ねえ、これはなんの冗談? ふざけてるの?」
「ふざけてる? そんな訳がないだろ?俺は真面目だよ」
ううん、これはふざけてる……。
「ふざけてないならなに? 私への嫌がらせ?」
「嫌がらせ? バカなことを言うなよ」
違う。これは明らかにふざけてるし、私への嫌がらせにしか思えない。
「ねえ、どうしてこんなことするの?」
「どうして? 言っただろ、俺は君とやり直したいって」
「だからって、こんなのはおかしいよ。異常だよ」