【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
○十三話

最愛の人との別れの時

✱ ✱ ✱



「眞紀人くん、ご飯出来たよ」

「お、ありがとう、菫花さん」

 あれから二週間が経ったけど、文晶もあれから私の前に現れなくなったし、連絡が来ることもなくなった。
 私には平和な毎日が訪れ、毎日幸せな日々を送っていた。

「いただきます」

「いただきます」

 最近は週末にお互いの家に泊まったり、遊びに行ったりして過ごしている。
 とにかく幸せで仕方のない私は、眞紀人くんと一緒にいられるだけで良かった。

「ん、この煮付け美味しい」

「本当? 良かった」

 この日の夕食は魚の煮付けにした。眞紀人くんがお魚が苦手らしく、美味しく食べれる料理がいいとリクエストを受けて、魚の煮付けを作ってみた。
 
「なんか、魚の臭みも全然ない」

「食べられるように、臭み取ってるからね」

「これなら、食べられる」

 眞紀人くんがお魚が苦手だと知ったのは、実はここ最近だった。 前に鯖の味噌煮を作った時は、普通に食べてくれていたから気付かなかったけど、まさかお魚が苦手だとは思わずびっくりしたのを覚えている。

「味付け大丈夫?」

「全然、大丈夫。美味しいよ」

 眞紀人くんに美味しいと言ってもらえるのは、やっぱり嬉しい。作って良かったと思った。

「無理して食べなくてもいいからね」

「ううん。本当に美味しいから、食べれるよ」

 無理してるのではないかと思ったが、無理してる訳ではないと知ってちょっと安心した。

「この浅漬けも美味しいよ、菫花さん」

「本当? 嬉しい」

 眞紀人くんは私のことを料理上手だと褒めてくれるから、たくさん眞紀人くんのために料理がしたくなる気持ちにさせられる。
 好きな人のために料理を作るのって、素敵なことだよね。
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