「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
第四章 揺れる心と溺愛の兆し
その日は、私の誕生日だった。
朝から落ち着かない気分で、きっと今日は宮殿に伺うのだと思っていた。
けれど、予想に反して──カイル殿下が、私の屋敷に直接いらしてくださったのだ。
「カイル殿下、来てくださってありがとうございます……!」
少し緊張気味に頭を下げると、カイル殿下はふっと微笑んだ。
「こっちこそ。今日という日に、君に会えないなんて我慢できなかったからね」
そして、背中に隠していたものを、すっと私の前に差し出した。
「セレナ、誕生日おめでとう」
「うわあ……」
思わず声が漏れた。
両腕いっぱいの白い花のブーケ。
ふんわりと香る、やさしい匂いに胸がいっぱいになる。
「セレナは、白い花が好きだっただろ?」
──そう。
幼い頃、いつも庭で摘んで私に手渡してくれたのも、決まって白い花だった。
カモミール、マーガレット、白い薔薇……
忘れていなかったんだ。
朝から落ち着かない気分で、きっと今日は宮殿に伺うのだと思っていた。
けれど、予想に反して──カイル殿下が、私の屋敷に直接いらしてくださったのだ。
「カイル殿下、来てくださってありがとうございます……!」
少し緊張気味に頭を下げると、カイル殿下はふっと微笑んだ。
「こっちこそ。今日という日に、君に会えないなんて我慢できなかったからね」
そして、背中に隠していたものを、すっと私の前に差し出した。
「セレナ、誕生日おめでとう」
「うわあ……」
思わず声が漏れた。
両腕いっぱいの白い花のブーケ。
ふんわりと香る、やさしい匂いに胸がいっぱいになる。
「セレナは、白い花が好きだっただろ?」
──そう。
幼い頃、いつも庭で摘んで私に手渡してくれたのも、決まって白い花だった。
カモミール、マーガレット、白い薔薇……
忘れていなかったんだ。