結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない

15.犯人

 部長たちを会議室に集めた暁良は、まず経理部長から提出された提案を部長たちに公開した。

「あぁ、その添付なら見せてもらいました。彼はうちの部のエースだったんですが、今月はまったく成績が伸びなくて」
 営業部長がチラッと沙紀を確認する。
 まるで沙紀のせいだとでも言いたそうな流れに、暁良は眉間に皺を寄せた。

「まず、この写真が撮られた時刻をご覧ください」
 夏目がスクリーンに時刻を撮影日を写し、その次に沙紀の電車のICカードの入場記録を表示する。

「この写真の5分後には駅の改札を通っています」
「ということは店には入っていないということかね?」
「はい。まず大前提として、二人は店に入っていないです」
 店の店員にも確認したが来ていないという証言を得ていると夏目は部長たちに話した。

「次にこの写真の出どころですが、秘書の工藤から経理の上野心愛にメールで送付されたものです。ですが、この送信日、工藤は体調不良で会社に来ていません」
 夏目は会社のセキュリティゲートの記録を表示し、沙紀がこの日に社内に入っていないことを証明する。

「これはIT部長に調べてもらいました」
「はい。この日に秘書の工藤さんの入退出記録はありませんでした」
 部長たちはどういうことだとざわつく。

「出張用のパソコンで社外からアクセスした可能性は?」
「工藤さんには社外アクセスの権限が付与されていませんでした」
 経理部長の疑問にIT部長が答え、沙紀が社外からアクセスするのは不可能だと説明された。

「ではどうやって?」
「社内の者が不正ログインし、秘書の工藤を貶めようとしました」
「なんのために?」
「CEOの秘書の座を狙っての犯行だと推測しています」
 夏目の言葉に、部長たちは最初の提案書の存在を思い出す。

「まさか」
 経理部長が心当たりの人物を思い浮かべると、夏目は頷いた。

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