仏の顔も三度までですわ！愛人と夫のツケ、すべて返していただきます
第六章　伝えられた真実

嫌悪感

「シェリーナのために金を支援してくれないか？」

いつぶりかも忘れるくらい久しぶりに夫が寝室を訪れたと思いきや、デルバートは開口一番私にそう言った。
うわ…なんか懐かしいとすら思ってしまうシチュエーション…。

ランドリックを奪還してから３ヶ月が経った。
あれからシェリーナは別邸で暮らしている。私や子どもたちにシェリーナが嫌がらせや危害を加える可能性を危惧し、ガウディーンが配慮してくれたのだ。
デルバートは毎日別邸に帰っているので、夜寝室に現れてビックリしたけど、最初のセリフですべてを察した。
ランドリックを奪われ別邸に追いやられたシェリーナは、その鬱憤を晴らすために散財していると聞いていたから。
とはいえ、デルバートが私にお金を無心するほどだったとはね…呆れるわ…。

「ランドリックを奪われた悲しみを少しでもやらわげるために、シェリーナが求める物はなんでも手に入れてきた。
今後もシェリーナの望みをかなえ続けたいと思っている。そのために資金が必要なんだ」

私が無言でいると、デルバートはベラベラと話を続け始めた。

「君の酷い仕打ちに耐えているシェリーナのために、金を用意するのは当然のことだろう？
事業は大成功だと聞いている。利益が出ているならシェリーナに渡すんだ。それが君の義務だ」

はぁ？どういう論理よそれ。
私は鼻で笑いそうになるを必死で堪えた。
< 108 / 137 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop