仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

公爵家の生活

公爵夫人になって1ヶ月が経過。
屋敷内の状況がかなりわかってきた。

1つめ。デルバートの愛人シェリーナの存在は暗黙の了解ってこと。
シェリーナは表向き「デルバートの専属秘書のうちのひとり」となっているが、仕事はほぼしておらず、執務室に作られた別室で優雅に過ごしているらしい。
専属秘書なので屋敷内に部屋はあり、他の秘書とは別格扱い。シェリーナの部屋にせっせとデルバートが通っている。
ロフィとユミナはもちろん、屋敷で働くすべての人がシェリーナの存在を認知しつつ、表向きの専属秘書として接し、目をつむっている状態だ。
当たり前だが、デルバートの父、現アーデン家当主ガウディーンと、デルバートの母キサラも黙認していた。

2つめ。屋敷内の業務が滞り、使用人の不満が溜まっていること。
今まではキサラが屋敷の運営と使用人の管理をしていたが、そういった業務には無頓着で、執事のギル・フェンデスと、次女頭のエミリー・カイロウに丸投げ状態。
とはいえ、決裁業務はキサラがしなければならず、仕事が遅くて大変そうだ。
今私が引継ぎ中で、ギルとエミリーは言葉に出さないものの「これで業務が進む」とホッとした様子だった。
なお、キサラからの引継ぎは一切なし。
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