仏の顔も三度までですわ！愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

豹変する夫

「どうしてシェリーナを避けるんだ！」

デルバートが寝室に怒鳴り込んできたのは、シェリーナを避け始めて１週間ほど経った頃だった。
ああ…もう嫌になるな…。

「なんのことでしょう？」

一応しらばっくれてみた。

「シェリーナが君と親交を深めようとしているのに、逃げ回っているそうだな！」

親交を深めるって…それ本気で言ってます？

「どんでもございません。ただ、別邸の生活にも少し飽きてきたので、刺激を求めてウロウロしているだけですわ」

「そんなのウソです！」

大きなデルバートの後ろから、シェリーナがひょっこり姿を現した。
あ、いたんだ…。げんなり。

「アリステラ様は明らかに私の姿を見ると、背を向けて逃げていきますの。
私、なにかしましたか？とても傷つきました…」

いや、いろいろされてますけど…。

「たまたまだと思います。逃げていません」

まだまだしらばっくれる。
認めてたまりますか。

「まだ嘘をつくのか！」

激高するデルバート。
もうこのパターンも飽きたよ…。逃げたい…。

「アリステラ様は公爵様の子どもを身ごもった私に嫉妬されてるんですわ…。
だから、こんなひどい仕打ちをするのですね！」

嫉妬なんてするはずないのに。
むしろ、家柄のせいで結婚できないシェリーナを不憫に思い始めてるよ。
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