仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

母親業開始

唐突に始まった育児生活は、なかなか大変だった。
ミラーネは本当によく泣く。
夜泣きだけじゃなく、昼もよく泣く。
最初の1週間は、あの手この手でいろいろ試す試行錯誤の日々だった。
ロフィとユミナに協力してもらいながら、なんとか乗り切ったけど、たった1週間でヘトヘト。
それでも、少しだけミラーネがご機嫌になる傾向が見えてきた。
部屋にこもるより、外に出た方がご機嫌な時間が確実に増える!

「もしかしたら、景色が同じだと飽きちゃうのかしら」

この意見に、ロフィとユミナは大いに賛同してくれた。
というわけで、2週間目はできるだけ外に出るようにした。
温暖な季節なので、ミラーネも外の方が気持ちよさそう。
乳母車に乗せて庭園を散歩していると、振動が心地よいのか、たっぷりお昼寝してくれるようになった。
起きているときは芝生にふかふかのシートを敷いて転がしておくと、比較的ご機嫌。
これはいいぞと思った私は、園庭で仕事をするようになった。

生後4か月を過ぎたころ、ミラーネの首はすっかり座り、コロコロと寝返りするようになった。
よく笑うようになったミラーネが私と園庭で過ごしていることが屋敷に知れ渡り、いろいろな人が可愛いミラーネの姿を見にやってくる。
とくに頻繁に来るのは、デルバートの母キサラだ。
彼女は少しでも暇ができると、せっせと園庭に足を運び、ミラーネを抱っこしてくれるし、ミルクもあげてくれる。
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