仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

いきなり新生児育児開始

「アリステラ様、デルバート様がお呼びです…」

ロフィからそう言われたのは、シェリーナが出産して3日後のことだった。
指定されたのは、シェリーナが過ごすエリアに用意されたデルバート専用の部屋。
別邸に来てから、シェリーナの居住エリアに行くのは初めてだった。
ノックして部屋に入ると、デルバートだけではなく、見知らぬ侍女と、そして生まれたばかりのリフィールがいた。
リフィールの髪色はミラーネと同じ銀色だ。目の色は私の位置からはちょっとよく見えない。
これはどういう状況なんだろう…と思いつつ、形式的に挨拶をする。

「時間がないため用件だけを説明する。
今日から君がリフィールを育てるんだ」

……………は?

「今後の流れはミラーネのときと同じだ。
1ヶ月後にリフィールの披露パーティーを行う。そのタイミングで生活を屋敷に戻す。
話は以上だ。なにか質問はあるか?」

「あの…出産したシェリーナ様のお加減が悪いのでしょうか…?」

安産と聞いていたけど、急変したとか…。
急に不安になった。

「いや、シェリーナは今回も安産で、なんら問題はない。
今は回復に専念している」

そうなんだ…良かった。
ホッとすると同時に疑問が生まれた。

「まだ産後3日ですが、赤ちゃんとシェリーナを引き離して良いのでしょうか?」

「何か問題はあるか?」

問題って…。
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