仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

愛人の妊娠3

「シェリーナが妊娠した。君には1週間後に別邸に移ってもらう」

その日は唐突に訪れた。
前回はいつだったか忘れるくらい久しぶりにデルバートが寝室に来たと思ったら、懐かしいとさえ思える台詞を言い放ったのだ。

「………おめでとうございます…」

公爵家の跡取りのために、シェリーナはまた妊娠するだろうと心構えはできていたけれど、それでもショックで呆然とし、お祝いの言葉がすぐに出てこなかった。
また別邸の暮らしが始まるんだ…。

「流れはいつも通りだ。準備を始めておくように」

「あの、ミラーネとシェリーナはどうなりますか?」

二人とも理解が早いから、2回目の妊娠のときみたいな誤魔化しは通用しないだろう。

「心配するな。二人には五日後に礼儀作法を習う寮に入ってもらう」

「ええ!?な…あ…すみません…大きな声を出して…。
それは、どのような教室なのでしょうか…?
まだ小さな2人に寮生活は早いのでは?」

思わず何それ!って言いそうになっちゃったよ…。

「オレに意見するのか?」

ギロリと睨まれる。
恐いけど、ミラーネとシェリーナのことをこの人には任せられない!

「意見ではなく質問です。何も聞いていませんでしたので。
デルバート様はお忙しいので、2人に関わる時間が少なく、説明する手間を取らせてはいけないと思いました。
私が詳細を説明したいのです。なぜなら、突然私と離れ離れになって寮生活を命じられたら、追い出されたと誤解される可能性はゼロではありませんから…。
親子関係を良好に保つためにも、私に説明させてください」
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