仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます

公爵夫人の貫禄

次の日、デルバートからの呼び出しがあった。
場所は最上階にあるランドリックの部屋。
嫌な予感しかしなくて、一瞬無視してやろうかと思ったけれど、伝達してくれたユミルが責められたら嫌だから、渋々行くことにした。
ただし、1人で行ったら何をされるかわからない。そこで、キサラに帯同をお願いした。
キサラとの関係はずっと良好で、とくに子ども関係のことは惜しまず協力してくれる。
キサラは口には出さないけれど、もしかしたら私に対するデルバートの態度に罪悪感を持っているのかもしれない。

キサラと私、そしてキサラの専属侍女と3人で最上階に行き、呼び出された部屋の扉をノックした。

「入れ」

デルバートの威圧感たっぷりな返事。
キサラが表情を曇らせたのがわかった。

「失礼いたします」

部屋に入ると、いつも通りソファにふぞりかえって座っているデルバートと、その隣にシェリーナの姿があった。ランドリックはいない。
私の後に続いたキサラを見て、2人の表情が見る見る変化した。

「なぜ母上が…」

「シェリーナに今後のことを私の言葉で伝えたいと思って無理矢理ついてきました」

わぁ!私が頼んだことを伏せてくれてる!ありがとうお義母様!!!
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