仏の顔も三度までですわ！愛人と夫のツケ、すべて返していただきます
第五話　怒り爆発天誅を下す！

愛情と執着と虚栄心

子どもたちと過ごす時間が終わり、シェリーナがランドリックを引き取りにやってきた。
シェリーナに話をしなければ。
だけど、子どもたちの前でする話ではない。
ひとまずいつもどおりシェリーナにランドリックを引き渡す。
子どもたちが寝た後にシェリーナの元へ直談判しようと考えていた。

ところが、いざ部屋を出ようとしたとき、ソフィに呼び止められてしまった。
ソフィはリフィールが生まれたときに育児を支えてくれた侍女だ。
そのときからずっと、ソフィはミラーネとリフィールの侍女として支えてくれている。
今まで寡黙で余計なことを一切言わないタイプだと思っていたから、ソフィに呼び止められて少し驚いた。

「ソフィ、どうしたの？」

「お伝えしたいことがあります…」

ソフィは意を決したように私を見た。
なにかとても重要なことを伝えようとしているみたい…。

「わかったわ。込み入った話かしら？とりあえず座りましょう」

「とんでもございません！」

ソファに座るよう促したが、速攻で断られてしまった。
今日１日働いたソフィはとても疲れていると思うんだけど、無理やり座らせるのは違うと思い、私は自分だけソファに座った。

「で、伝えたいことって何かしら？」

「アリステラ様はシェリーナ様にランドリック様についてお話をされに行かれようと思われたのですよね…？」

「そうよ。ソフィは少し離れていたから、会話が聞こえなかったかもしれないけど、シェリーナはランドリックに嘘を吹き込んでいるの。私やミラーネたちから嫌われているという、決して言ってはいけない嘘を」

あのときのランドリックの顔を思い出すだけで、いつでも爆発できそうなくらい、私は本気で怒っていた。
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