側溝の天使
第43話 ゆらぐ決意
ポン子と別れることを決めますと、持って行く準備を進める中で、啓子も私もついついケージの中のポン子に目が行ってしまいます。
お客様が来ると、お茶かコーヒーにお茶うけを添えて出します。そんな時、ポン子も何か食べ物がもらえると思って、ケージの扉をガタガタ揺らします。朝晩2回の食事に加え、おやつのクッキーなどにも慣らされているのです。
果たして、待っていれば食べ物がもらえるという受け身の状態から、自ら進んで食べ物を見つける能動的な行動に切り替えることができるのか――。大変心配でなりません。
しかし、そのような思いは振り払わなければなりません。啓子と一緒に出した結論はこうです。
「いつまでもポンちゃんに未練を持ってはいけない。ポンちゃんのために気持ちを切り替えて、可能であれば元ちゃんと一緒の幸せな生活を考えてやろう」
ただ、そうは言いましても……ポン子がこれまで猫たちとケージ越しとはいえ、ずっと一緒だった日常から離れることを考えると、野に放たれて自力で自然の中で生きていけるのか、元と一緒になれるのか、不安が募ります。リスクの大きさを思えば思うほど、それが準備の足かせとなりました。
そんなこんなを考えていると、なかなか眠れないのです。
でも、明日へ希望を託して――今日のところはこれで、おやすみなさい。
-続-
お客様が来ると、お茶かコーヒーにお茶うけを添えて出します。そんな時、ポン子も何か食べ物がもらえると思って、ケージの扉をガタガタ揺らします。朝晩2回の食事に加え、おやつのクッキーなどにも慣らされているのです。
果たして、待っていれば食べ物がもらえるという受け身の状態から、自ら進んで食べ物を見つける能動的な行動に切り替えることができるのか――。大変心配でなりません。
しかし、そのような思いは振り払わなければなりません。啓子と一緒に出した結論はこうです。
「いつまでもポンちゃんに未練を持ってはいけない。ポンちゃんのために気持ちを切り替えて、可能であれば元ちゃんと一緒の幸せな生活を考えてやろう」
ただ、そうは言いましても……ポン子がこれまで猫たちとケージ越しとはいえ、ずっと一緒だった日常から離れることを考えると、野に放たれて自力で自然の中で生きていけるのか、元と一緒になれるのか、不安が募ります。リスクの大きさを思えば思うほど、それが準備の足かせとなりました。
そんなこんなを考えていると、なかなか眠れないのです。
でも、明日へ希望を託して――今日のところはこれで、おやすみなさい。
-続-