もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長課長の一途な愛に包まれて〜
すれ違った想い
私たちの付き合いは順調に進んでいると思う。
平日は忙しい彼に合わせ基本はメッセージのやり取りをしている。営業だけでなく企画戦略室も兼務しているため本格的に忙しくなり毎日の帰宅もかなり遅くなっていた。時折職場で見かける彼は疲労を口に出さない。それは後継者になるべく必要なものだと考えているようだ。営業部の方もおろそかにすることはなく、全ての報告書にも目を通しており鋭い指摘が入ることも多い。
そのくらいに彼の努力は誰の目にも明らかだと思う。
【今から帰るところだ】
定例になった私への帰るコール。とはいえ私は自宅にいるからただの連絡だ。今はもうすでに23時近い。これから帰るとなると寝るのは0時を過ぎるだろう。あまり無理をしてほしくない。でもそれを私が言ってもいいのかわからない。
【今日もお疲れ様です。夕食は食べましたか? 今日は松木さんに美味しいお土産をいただいたので今度お裾分けしますね】
他愛のない内容だが、それでも少しは気分転換になるのではないかと今日あったことを報告する。
彼の予定が入らない週末は金曜の夜から一緒にいることもあるが、土日どちらかだけになることもある。どちらも会えなかった週末もあった。だからこそ日々の他愛のない話題を伝え合うことが大事ではないかと思う。以前のようにすれ違ったり、どちらかだけの気持ちだけに支えられるような関係はもう嫌だ。
【なぜ松木さんがお土産を?】
【ご実家に週末帰られたようで銘菓をいただいたんですよ。山口で有名みたいでさっき食べてみたらすごく美味しかったんです】
【日菜にだけお土産? 部署にも確か置いてあったとは思うが】
確かに大きめの箱が休憩室に置かれていた。でもそれとは別に、ちょっと、と声をかけられ個人的に渡された。確かになぜだろう。
あの件があってからよく話すようになったからかな、と思う。今まではあまり話かけられることがなかったが、最近は昼食が一緒の時間になると休憩室で一緒に食べることもある。私は変わらず節約でお弁当を持参しているが、松木さんも最近節約しているとのことで外食ではなく弁当を買うことが多い。彼は仕事以外の話も面白く、一緒に食べていても苦にはならない存在になっている。それに一度一緒に異業種交流会に行ってみないかと誘われている。毎週水曜に行われているらしく商社を始め、IT企業や通信業界、航空業界、医療関係と幅広く色々な人がくるよう。当日来たメンバーで飲むらしく、その時によって人数は違うがかなり多いので色々な人と話せて面白いと言っていた。それに割と英語での会話になることも多いのでスキルアップにいい刺激になるのではないかと言われた。暇な水曜があれば一緒に行ってみようと言われ頷いた。松木さんはこうやって人脈や知識を増やしているんだなと思い話していて刺激を受けたところだ。
【最近よく一緒に休憩時間に話すんです。だからお土産もくれたのかもしれないです】
そう返すとすぐに彼から返信が来た。
【今週土曜は仕事で昼間出勤なんだ。夜から会えるか?】
今週は友人の結婚式で私は軽井沢に行くって話したはずなのに。それに結婚式に着ていく服もこの前真紘さんと選んだけど忘れてしまったのだろうか。彼の忙しさには見ているこちらも目が回りそうだ。【友人の結婚式で土曜は軽井沢に行く予定です。日曜に帰ってくるので今週は会えないと思います】
彼に会えないのは残念だけど唯一の親友、恵麻の結婚式だ。高校からの友人で彼女にだけはなんでも話せる存在だ。そんな大切な彼女が結婚するのは本当に嬉しい。結婚式は午後からだし、恵麻の家族からも泊まってゆっくりしてから帰るといいと勧められ、そうすることにしたのだ。
【そうだったな。すまない】
なんだかいつもの彼らしくない気がしたが、メッセージはそこで止まった。少し気になるが彼の時間を割くのも負担になるので私も送るのをやめた。
平日は忙しい彼に合わせ基本はメッセージのやり取りをしている。営業だけでなく企画戦略室も兼務しているため本格的に忙しくなり毎日の帰宅もかなり遅くなっていた。時折職場で見かける彼は疲労を口に出さない。それは後継者になるべく必要なものだと考えているようだ。営業部の方もおろそかにすることはなく、全ての報告書にも目を通しており鋭い指摘が入ることも多い。
そのくらいに彼の努力は誰の目にも明らかだと思う。
【今から帰るところだ】
定例になった私への帰るコール。とはいえ私は自宅にいるからただの連絡だ。今はもうすでに23時近い。これから帰るとなると寝るのは0時を過ぎるだろう。あまり無理をしてほしくない。でもそれを私が言ってもいいのかわからない。
【今日もお疲れ様です。夕食は食べましたか? 今日は松木さんに美味しいお土産をいただいたので今度お裾分けしますね】
他愛のない内容だが、それでも少しは気分転換になるのではないかと今日あったことを報告する。
彼の予定が入らない週末は金曜の夜から一緒にいることもあるが、土日どちらかだけになることもある。どちらも会えなかった週末もあった。だからこそ日々の他愛のない話題を伝え合うことが大事ではないかと思う。以前のようにすれ違ったり、どちらかだけの気持ちだけに支えられるような関係はもう嫌だ。
【なぜ松木さんがお土産を?】
【ご実家に週末帰られたようで銘菓をいただいたんですよ。山口で有名みたいでさっき食べてみたらすごく美味しかったんです】
【日菜にだけお土産? 部署にも確か置いてあったとは思うが】
確かに大きめの箱が休憩室に置かれていた。でもそれとは別に、ちょっと、と声をかけられ個人的に渡された。確かになぜだろう。
あの件があってからよく話すようになったからかな、と思う。今まではあまり話かけられることがなかったが、最近は昼食が一緒の時間になると休憩室で一緒に食べることもある。私は変わらず節約でお弁当を持参しているが、松木さんも最近節約しているとのことで外食ではなく弁当を買うことが多い。彼は仕事以外の話も面白く、一緒に食べていても苦にはならない存在になっている。それに一度一緒に異業種交流会に行ってみないかと誘われている。毎週水曜に行われているらしく商社を始め、IT企業や通信業界、航空業界、医療関係と幅広く色々な人がくるよう。当日来たメンバーで飲むらしく、その時によって人数は違うがかなり多いので色々な人と話せて面白いと言っていた。それに割と英語での会話になることも多いのでスキルアップにいい刺激になるのではないかと言われた。暇な水曜があれば一緒に行ってみようと言われ頷いた。松木さんはこうやって人脈や知識を増やしているんだなと思い話していて刺激を受けたところだ。
【最近よく一緒に休憩時間に話すんです。だからお土産もくれたのかもしれないです】
そう返すとすぐに彼から返信が来た。
【今週土曜は仕事で昼間出勤なんだ。夜から会えるか?】
今週は友人の結婚式で私は軽井沢に行くって話したはずなのに。それに結婚式に着ていく服もこの前真紘さんと選んだけど忘れてしまったのだろうか。彼の忙しさには見ているこちらも目が回りそうだ。【友人の結婚式で土曜は軽井沢に行く予定です。日曜に帰ってくるので今週は会えないと思います】
彼に会えないのは残念だけど唯一の親友、恵麻の結婚式だ。高校からの友人で彼女にだけはなんでも話せる存在だ。そんな大切な彼女が結婚するのは本当に嬉しい。結婚式は午後からだし、恵麻の家族からも泊まってゆっくりしてから帰るといいと勧められ、そうすることにしたのだ。
【そうだったな。すまない】
なんだかいつもの彼らしくない気がしたが、メッセージはそこで止まった。少し気になるが彼の時間を割くのも負担になるので私も送るのをやめた。