マリオネット

彼氏、彼女の関係

 次の日ーー。
 休日だった。
 隣で寝ているはずの凪がいない。
 慌てて時計を見る。

「えっ?十一時!?」

 さすがに寝すぎてしまった。
 急いで布団から出る。

「凪?」
 声をかけるが反応がなかった。

「凪……?」
 キッチン、ベランダ、浴室を見ても彼はいなかった。

 ちゃんと私の朝ご飯は準備してくれてある。
 キッチン前の机には、朝食の準備がされていた。
 特にどこかに出かけるとか、手紙も置いてない。

 玄関に行って、彼の靴を確認するもなかった。
 出かけたのかな。スーパーとか。

 それとも昨日のことを怒って出て行った……?

 食費として渡してあった、お財布がなかった。
 きっと、スーパーに行っているんだ。
 
 私は気を紛らわすために、シャワーを浴びることにした。
 きっと、シャワーが終わった頃には帰ってくるよね。


 あれから三時間ーー。
 
 いつものスーパーだったら、こんなに時間はかからない。
 他のスーパーに行ったとしても、遅すぎる。
 凪は帰って来なかった。本当に出て行ってしまったのだろうか。

 凪もそろそろ限界だったよね?私との生活も。
 また私は一人になっただけ。

 そう自分に言い聞かせる。
 わかっていたことだ、彼が居なくなることは。

 だが、気持ちとは裏腹に涙が零れた。

 あぁ。こんなに寂しいんだ。悲しいんだ。
 凪が居ないと考えただけで、こんなに苦しい。

 探しに行って、ちゃんと謝ったら許してくれるかな?
 彼がどこに行ったのかもわからないのに、私は外に出て彼を探すことにした。
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