マリオネット

送られてきた写真

 それから数週間、生活もあまり変わらなかった。
 私は相変わらず仕事、凪もアルバイトに慣れてきたようだった。

 私があんなに心配をしていたアルバイトの飲み会も、特に何もなさそうに彼は日が変わらないうちに帰って来てくれた。

「久し振りにあんなに話したけど、ちゃんと彼女いるって言ってきた。やっぱり陽菜乃さんとテレビとか見てた方が楽しい」
 そんなことを凪は言ってくれた。

 もう少しで凪の誕生日。
 プレゼントは何にしようか考えていた時だった。

 どうせ、凪に相談しても「いらない」って言うだろうから。何がいいかな。

 会社から出て、駅に向かう途中
<今から帰るね>
 彼に連絡しようと思い、スマホを見ると
<ごめん。陽菜乃さん。今日、急にバイトの子が休んじゃって。帰りが陽菜乃さんより遅くなっちゃうかも>
 という連絡が来ていた。

<お疲れ様!私は今から帰るところだよ。私のことは気にしなくていいから、気をつけて帰って来てね>

 凪、大変だな。
 今日は私の方が帰るの早いんだし、夕ご飯、何か作ろうか。冷蔵庫に何があるんだろう。食品関係は凪に任せてあるからわからないや。ダメな女だ。

 今更そんなことを考えても遅いと思いながら帰宅をした。

 ポストを見ると、私宛に手紙が届いていた。

「誰だろう?」
< 162 / 186 >

この作品をシェア

pagetop