光の向こうへ

また迫る壁

あの日の公園から、咲は少しだけ明るさを取り戻した。
 毎朝の薬も、俺が見ていれば素直に飲むようになった。
 日記帳にも「今日は友達と少し話せた」「お兄ちゃんが夕飯を作ってくれた、美味しかった。」と、小さな前向きな言葉が並ぶようになった。

 ――だからこそ、油断したのかもしれない。
< 22 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop