専属ボディガードへの片思いを諦めたら、甘すぎる豹変が待っていました
片思い
「百合子様、お勤めお疲れ様です。
お車用意してあります。」
無表情でそう告げたのは、
私の専属ボディガードの橘仁。
無表情なのと、
高身長、鋭い眼差しもあいまって、
近寄りがたい雰囲気がある。
ー私も最初会ったときは、
怖そうな人っていう第一印象だったな。
そんな風に思い出しながら橘の車に乗った。
「なにニヤニヤしてるんだ?」
「さっきと言葉遣いが違いすぎない?」
「いつものことだろう。」
車に入って二人っきりになるなり、
いきなり敬語をやめて、タメ口で話してくる。
一応私のボディガードのため、
昔はずっと敬語だったが、
仲良くなるにつれ、いつの間にか2人っきりのときはタメ口になっていた。
「まあ、別にいいけど」
口ではそう答えるが、
本当は距離が近く感じて嬉しく思っていた。
まだ本人には言えないけど、橘のことがすきだから。
< 1 / 23 >