専属ボディガードへの片思いを諦めたら、甘すぎる豹変が待っていました

片思い


「百合子様、お勤めお疲れ様です。
お車用意してあります。」

無表情でそう告げたのは、
私の専属ボディガードの橘仁。

無表情なのと、
高身長、鋭い眼差しもあいまって、
近寄りがたい雰囲気がある。

ー私も最初会ったときは、
怖そうな人っていう第一印象だったな。

そんな風に思い出しながら橘の車に乗った。

「なにニヤニヤしてるんだ?」

「さっきと言葉遣いが違いすぎない?」

「いつものことだろう。」

車に入って二人っきりになるなり、
いきなり敬語をやめて、タメ口で話してくる。

一応私のボディガードのため、
昔はずっと敬語だったが、
仲良くなるにつれ、いつの間にか2人っきりのときはタメ口になっていた。

「まあ、別にいいけど」

口ではそう答えるが、
本当は距離が近く感じて嬉しく思っていた。

まだ本人には言えないけど、橘のことがすきだから。
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