専属ボディガードへの片思いを諦めたら、甘すぎる豹変が待っていました
お見合い
ー翌週
髪型を柔らかくしたため、
それに合わせるように服装とメイクも変えてみた。
ーやっぱりこっちの方が似合っているな。
鏡を見ながら、
やはり私は綺麗系ではないんだなと再認識していた。
ーコンコン
「待たせた…な」
橘は私の格好を見て驚いた顔をしたが、
すぐに不機嫌な表情に変わった。
ー似合ってないのかな、
自分では前よりは合っている気がするんだけど。
「今日からお見合いだから、
可愛い格好しているのか?」
「え?」
ー聞き間違いじゃなければ可愛いって言った?
「髪型も変えて、
服装もメイクも変えたんだな…」
イラつきながらも、どこか辛そうな表情の橘をみて戸惑った。
ーなんでそんな表情するんだろう。
「うん、変えてみたの」
それだけ呟いて、橘の目線に耐えられず、
私は早歩きで駐車場に向かった。
「俺はお見合いの時間、警護につく」
車に乗るなり、橘がそう言いながら運転し始めた。
「え?お見合いの時間は大丈夫だよ」
「いや、迎えに来て欲しいときに、
会社なら少し待たせられるが、
食事はいつ終わるかわからないし、待たせられない」
「じゃあ、近くの駐車場とかで停まっていてくれれば」
「どんな男か見極めたい。
言っただろう、俺には百合子のお見合いを見届ける権利があると」
ー確かに言った。
でもまさかお見合いのときまで付いてくるとは思わなかった。
私のことそんなに心配なのかな?
もしかすると、妹みたいな気持ちなのかもしれない。
そういえば橘は妹がいると言っていたから、
私のことは妹みたいで心配なのかもしれない。
私は断る理由を必死に考えていたが、その間に職場に着いていた。
「じゃあ、また後で」
断る理由も結局思い付かず、
すぐ橘は立ち去ってしまった。