すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
11、本当の家族と会う
ようやくカルベラ国に入国できたのは、出発から7日後のことだった。
途中で悪天候に見舞われて予定より遅れてしまったけれど、到着したときには空が嘘のように晴れわたっていた。
カルベラ国の王都はオリエンタル文化が色濃く混じり合い、市場には不思議な骨董品や、見慣れない衣服、香り高い茶葉などが並んでいた。
ハルトマン侯爵家の屋敷は、ノルディーン公爵家にも匹敵する壮大な敷地に建っていた。
手入れの行き届いた庭園を抜け、広々としたエントランスに入ると、何人もの侍女たちが整列して出迎えてくれた。
「ハルトマン家へようこそ」
歓迎の言葉とともに邸宅内へ通されると、白を基調とした大広間が広がっていた。
まるで白亜の宮殿、あるいは神殿を思わせる荘厳さだった。
「やあ、レイラ。待っていたよ。元気そうで安心した」
ハルトマン侯爵が出迎えてくれて、彼はとなりに立つ女性を私たちに紹介した。
「こちらは妻のカレンだ」
カレンは手で口もとを押さえ、震え声を洩らした。
「本当だわ……本当に、スヴェンにそっくり」
驚いて言葉を失う私に、侯爵が静かに言い添える。
「妻は弟の幼馴染でね。君の話をしたら、とても驚いていたんだ」
私は戸惑いながらも深く礼をして名乗った。
途中で悪天候に見舞われて予定より遅れてしまったけれど、到着したときには空が嘘のように晴れわたっていた。
カルベラ国の王都はオリエンタル文化が色濃く混じり合い、市場には不思議な骨董品や、見慣れない衣服、香り高い茶葉などが並んでいた。
ハルトマン侯爵家の屋敷は、ノルディーン公爵家にも匹敵する壮大な敷地に建っていた。
手入れの行き届いた庭園を抜け、広々としたエントランスに入ると、何人もの侍女たちが整列して出迎えてくれた。
「ハルトマン家へようこそ」
歓迎の言葉とともに邸宅内へ通されると、白を基調とした大広間が広がっていた。
まるで白亜の宮殿、あるいは神殿を思わせる荘厳さだった。
「やあ、レイラ。待っていたよ。元気そうで安心した」
ハルトマン侯爵が出迎えてくれて、彼はとなりに立つ女性を私たちに紹介した。
「こちらは妻のカレンだ」
カレンは手で口もとを押さえ、震え声を洩らした。
「本当だわ……本当に、スヴェンにそっくり」
驚いて言葉を失う私に、侯爵が静かに言い添える。
「妻は弟の幼馴染でね。君の話をしたら、とても驚いていたんだ」
私は戸惑いながらも深く礼をして名乗った。