すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
18、君を取り戻したい(アベリオ)
相変わらずパーティと外出に明け暮れるセリスに、僕は呆れるばかりだった。
最近は何を言っても不機嫌になる。
これなら大人しいレイラのほうがよかった。
レイラは絵が描けなくなったが、侯爵夫人としてなら何ら問題はないから。
セリスの家であのウィッグを見つけたときから、ずっと違和感が拭えなかった。
もしかすると、僕が目撃したレイラの不貞現場はセリスだったのかもしれない。
そんな可能性に気づけなかった自分を、僕は責めた。
むしゃくしゃして、最近はよく酒屋へ入り浸っている。
貴族がよく訪れるそこそこ格式のある店だ。
ひとりで高級ワインを傾け、ほどよく酔いが回ってきたころだった。
「レイラという聖絵師が、奇跡の絵を描くらしいぞ」
見知らぬ客のその言葉に、僕ははっとして耳を澄ませた。
最近は何を言っても不機嫌になる。
これなら大人しいレイラのほうがよかった。
レイラは絵が描けなくなったが、侯爵夫人としてなら何ら問題はないから。
セリスの家であのウィッグを見つけたときから、ずっと違和感が拭えなかった。
もしかすると、僕が目撃したレイラの不貞現場はセリスだったのかもしれない。
そんな可能性に気づけなかった自分を、僕は責めた。
むしゃくしゃして、最近はよく酒屋へ入り浸っている。
貴族がよく訪れるそこそこ格式のある店だ。
ひとりで高級ワインを傾け、ほどよく酔いが回ってきたころだった。
「レイラという聖絵師が、奇跡の絵を描くらしいぞ」
見知らぬ客のその言葉に、僕ははっとして耳を澄ませた。