すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
20、静かな夜に伝わる熱
あれから、父は幾度となく公爵家にやって来た。
けれどエリオスは一貫して、会わないことを徹底した。
父は声を荒らげ、門の前で訴えるようにして「裁判を起こす」と言い張ったが、何日経ってもその兆候は見られなかった。
エリオスいわく、彼は実際に訴えを起こすことはできないのだろうと。だから、わざわざ脅し文句を言うためだけに頻繁に訪れるのだ。
さすがに何度も追い返されるうちに、父もようやく諦めたらしく、公爵家を訪れることはなくなった。
それとほぼ同じ頃、エリオスはハルトマン家へ手紙を出していた。
私の事情を丁寧に説明したのだと彼は言う。
まもなく、エレノア様から返事が届いた。
彼女は私宛にも手紙をくださった。
そこには「元気にしている?」とか「ちゃんと食事を取っているかしら」といった、温かく優しい言葉が並んでいた。
そして、最後にこう書かれていた。
『パーティで会いましょう』
けれどエリオスは一貫して、会わないことを徹底した。
父は声を荒らげ、門の前で訴えるようにして「裁判を起こす」と言い張ったが、何日経ってもその兆候は見られなかった。
エリオスいわく、彼は実際に訴えを起こすことはできないのだろうと。だから、わざわざ脅し文句を言うためだけに頻繁に訪れるのだ。
さすがに何度も追い返されるうちに、父もようやく諦めたらしく、公爵家を訪れることはなくなった。
それとほぼ同じ頃、エリオスはハルトマン家へ手紙を出していた。
私の事情を丁寧に説明したのだと彼は言う。
まもなく、エレノア様から返事が届いた。
彼女は私宛にも手紙をくださった。
そこには「元気にしている?」とか「ちゃんと食事を取っているかしら」といった、温かく優しい言葉が並んでいた。
そして、最後にこう書かれていた。
『パーティで会いましょう』