すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
24、恥をかかせてやるわ(セリス)
レイラも、あの公爵も、絶対に許さない。
そもそもレイラはあの日異国に売り飛ばされたはずなのよ。
どうして戻ってきてるのよ。
やっと私が輝けるときが来たというのに、あの子が戻ったらまた私の邪魔をするに決まっているわ。
苛立ちが止まらない。あのふたりの顔が、何度も何度も頭に浮かんで離れない。
「私を見下したことを後悔させてやるわ」
誰もいないゲストルームに駆け込み、ドアを荒々しく閉めた。
鏡の中の私は涙で化粧が崩れ、目が赤く腫れている。
これは悔し涙よ。
だけど、これは利用できるわね。
テーブルの上に置かれていた果物ナイフを掴み、ためらいもなくドレスの裾を裂いた。
絹が裂ける甲高い音が響く。
さらに、グラスに残っていたワインを手に取り、自分の胸元めがけてぶちまけた。
真紅の染みが、まるで血のように広がっていく。
「ふふっ……これでいいわ」
ぐしゃりと髪を乱し、片方のイヤリングを外して床に落とす。
そして、息を整えると私は“被害者”の顔を作った。
そもそもレイラはあの日異国に売り飛ばされたはずなのよ。
どうして戻ってきてるのよ。
やっと私が輝けるときが来たというのに、あの子が戻ったらまた私の邪魔をするに決まっているわ。
苛立ちが止まらない。あのふたりの顔が、何度も何度も頭に浮かんで離れない。
「私を見下したことを後悔させてやるわ」
誰もいないゲストルームに駆け込み、ドアを荒々しく閉めた。
鏡の中の私は涙で化粧が崩れ、目が赤く腫れている。
これは悔し涙よ。
だけど、これは利用できるわね。
テーブルの上に置かれていた果物ナイフを掴み、ためらいもなくドレスの裾を裂いた。
絹が裂ける甲高い音が響く。
さらに、グラスに残っていたワインを手に取り、自分の胸元めがけてぶちまけた。
真紅の染みが、まるで血のように広がっていく。
「ふふっ……これでいいわ」
ぐしゃりと髪を乱し、片方のイヤリングを外して床に落とす。
そして、息を整えると私は“被害者”の顔を作った。