すべてを失って捨てられましたが、聖絵師として輝きます!~どうぞ私のことは忘れてくださいね~
7、公爵家に招かれて
家を追い出されたその日に、まさか公爵家に来ることになるなんて、人生は本当にどう転ぶかわからない。
馬車を降りると、目の前には広大な敷地と壮麗な大邸宅が広がっていた。
伯爵家の屋敷など比べものにならない規模で、整えられた庭園から噴水の水音が涼やかに響いてくる。
エントランスでは使用人たちがずらりと並び、一斉に「おかえりなさいませ」と声をそろえた。
エリオスは足を止めて「出迎えをありがとう」と言った。
主人を迎えるのは当然の勤めなのに、わざわざ使用人に礼を述べるなんて、律儀で人柄の表れるお方だ。
「彼女はレイラという。しばらく屋敷に滞在することになった。俺が依頼した聖絵師だ。丁寧にもてなしてほしい」
エリオスの言葉に、侍女たちは一斉に頭を下げる。
それから彼は、私に笑顔を向けて言った。
「俺の両親は郊外の別邸で隠居している。本邸には俺ひとりだ。遠慮する必要はないから」
「いろいろとお気遣いいただき、ありがとうございます」
馬車を降りると、目の前には広大な敷地と壮麗な大邸宅が広がっていた。
伯爵家の屋敷など比べものにならない規模で、整えられた庭園から噴水の水音が涼やかに響いてくる。
エントランスでは使用人たちがずらりと並び、一斉に「おかえりなさいませ」と声をそろえた。
エリオスは足を止めて「出迎えをありがとう」と言った。
主人を迎えるのは当然の勤めなのに、わざわざ使用人に礼を述べるなんて、律儀で人柄の表れるお方だ。
「彼女はレイラという。しばらく屋敷に滞在することになった。俺が依頼した聖絵師だ。丁寧にもてなしてほしい」
エリオスの言葉に、侍女たちは一斉に頭を下げる。
それから彼は、私に笑顔を向けて言った。
「俺の両親は郊外の別邸で隠居している。本邸には俺ひとりだ。遠慮する必要はないから」
「いろいろとお気遣いいただき、ありがとうございます」