彼と妹と私の恋物語…結婚2週間で離婚した姉が再婚できない理由…
7
秋太の想いから柊のためと言って、京子は茅野楓に戻り宗田家で一緒に暮らすことにした。
大きなお屋敷と言っても過言ではない宗田家を見て、楓は7年前のことを思い出す…。
7年前。
楓は秋太が両親に紹介すると言って、宗田家を訪れた。
そのころの宗田家は、お手伝いが3人と運転手が一人いた。
翔太は気さくな挨拶で楓を迎え入れた。
だが、秋太の母・トワは違った。
上品な顔立ちに、きりっとした目元は秋太とそっくり。
凛とした雰囲気は、強い女性のイメージを受けた。
楓を見たトワは、どこか値踏みするような目を向けていた。
頭の上から足先までを見ているようで、楓は自分の体形を見て軽蔑しているように感じていた。
リビングに通され、楓が挨拶を終えるとトワはどこか見下したような目を向けた。
そして少し低めのトーンでこう言った。
「茅野楓さん…でしたね。…ご両親は何をしていらっしゃるのかしら?」
一般的な質問のように聞こえるが、トワの言葉にはどこか強い怒りのようなものが感じられる。
「…父は商社で働いています。そして母は、アパレル会社で働いています…」
「まぁ、そうですか。…二人とも、ただの平凡な会社員というわけですね?」
「はい…」
「それで、どちらにお住まいで?」
まるで何かの尋問のように問われ、楓は少し伏し目になっていた。
「はい。父も母も…アメリカにいます…」
「アメリカ?お仕事の関係で?」
「…そういうわけではありませんが…。私は、家庭の事情で叔父夫妻に元に養女に行っておりますので…」
養女に行っているという言葉に、トワの視線が鋭くなった。
「養女…。それでは、実のご両親は別にいらっしゃるということですか?」
「はい…」
「実のご両親は、どちらに?あなたの結婚のことはご存じですか?」
「まだ知らせていません。これから話すことにしていまして…」
「そう。では、実のご両親は何をしているのですか?」
トワの威圧に、楓は答える言葉がのどに張り付いてしまい出てこなくなった。
その様子を見計らった秋太は、そっと楓の手を握った。
ギュッと握られた秋太の手のぬくもりから、楓は暖かさを感じた。
「母さん…。悪いけど、もう帰るから…」
「え?何を言っているの?結婚の報告に来たのでしょう?」
「そうだけど」
「それじゃあ、私たちの許しを得るまで帰るべきではないでしょう!」
楓はギュッと唇をかみしめた。
「素性をきちんと聞くことは当然のことです。あなたは、宗田ホールディングスの大切な後継者なのですから。素性の分からない女性と、結婚させることはできませんから」
トワの厳しい言葉に、隣にいた翔太も顔色を変えた。
「トワ…ちょっと言いすぎだ。…茅野さんは、わが社で働く優秀な社員だ。語学力も優れている。何度も、大きな商談を成功に導いてくれた。わが社がここまで大きくなっているのも。茅野さんの力があるからと言っても、過言ではないんだ」
「そう。でも、それだけでは秋太に相応しいとは言えません。楓さん、どちらの大学を出ていらっしゃるですか?」
ギュッと唇をかみしめていた楓が、大きく息を吐いた。
そして、まっすぐにトワを見てこう言った。
「…もう結構です。…」
楓のまっすぐな眼差しに、トワの表情が怯んだ。
大きなお屋敷と言っても過言ではない宗田家を見て、楓は7年前のことを思い出す…。
7年前。
楓は秋太が両親に紹介すると言って、宗田家を訪れた。
そのころの宗田家は、お手伝いが3人と運転手が一人いた。
翔太は気さくな挨拶で楓を迎え入れた。
だが、秋太の母・トワは違った。
上品な顔立ちに、きりっとした目元は秋太とそっくり。
凛とした雰囲気は、強い女性のイメージを受けた。
楓を見たトワは、どこか値踏みするような目を向けていた。
頭の上から足先までを見ているようで、楓は自分の体形を見て軽蔑しているように感じていた。
リビングに通され、楓が挨拶を終えるとトワはどこか見下したような目を向けた。
そして少し低めのトーンでこう言った。
「茅野楓さん…でしたね。…ご両親は何をしていらっしゃるのかしら?」
一般的な質問のように聞こえるが、トワの言葉にはどこか強い怒りのようなものが感じられる。
「…父は商社で働いています。そして母は、アパレル会社で働いています…」
「まぁ、そうですか。…二人とも、ただの平凡な会社員というわけですね?」
「はい…」
「それで、どちらにお住まいで?」
まるで何かの尋問のように問われ、楓は少し伏し目になっていた。
「はい。父も母も…アメリカにいます…」
「アメリカ?お仕事の関係で?」
「…そういうわけではありませんが…。私は、家庭の事情で叔父夫妻に元に養女に行っておりますので…」
養女に行っているという言葉に、トワの視線が鋭くなった。
「養女…。それでは、実のご両親は別にいらっしゃるということですか?」
「はい…」
「実のご両親は、どちらに?あなたの結婚のことはご存じですか?」
「まだ知らせていません。これから話すことにしていまして…」
「そう。では、実のご両親は何をしているのですか?」
トワの威圧に、楓は答える言葉がのどに張り付いてしまい出てこなくなった。
その様子を見計らった秋太は、そっと楓の手を握った。
ギュッと握られた秋太の手のぬくもりから、楓は暖かさを感じた。
「母さん…。悪いけど、もう帰るから…」
「え?何を言っているの?結婚の報告に来たのでしょう?」
「そうだけど」
「それじゃあ、私たちの許しを得るまで帰るべきではないでしょう!」
楓はギュッと唇をかみしめた。
「素性をきちんと聞くことは当然のことです。あなたは、宗田ホールディングスの大切な後継者なのですから。素性の分からない女性と、結婚させることはできませんから」
トワの厳しい言葉に、隣にいた翔太も顔色を変えた。
「トワ…ちょっと言いすぎだ。…茅野さんは、わが社で働く優秀な社員だ。語学力も優れている。何度も、大きな商談を成功に導いてくれた。わが社がここまで大きくなっているのも。茅野さんの力があるからと言っても、過言ではないんだ」
「そう。でも、それだけでは秋太に相応しいとは言えません。楓さん、どちらの大学を出ていらっしゃるですか?」
ギュッと唇をかみしめていた楓が、大きく息を吐いた。
そして、まっすぐにトワを見てこう言った。
「…もう結構です。…」
楓のまっすぐな眼差しに、トワの表情が怯んだ。