召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
第18話 青年は不審者?
「あの〜、ちょっといいですか?」
ラモーナから離れ、一般利用者が立ちいることができるギリギリのスペースのところまでやって来ると、突然、声をかけられた。
振り向いた先にいたのは、見知らぬ青年。だけどなぜだろう。どこか懐かしさを感じる。もしかしたら、彼の髪が茶色だったからかもしれない。
この世界の人たちは、私のいた世界の人たちとは違い、幅広い個性を持っている人たちが多かった。人や獣人、という見た目の差というのもあるけれど、髪の色もなかなかお目見えできない色ばかりで、ここが別の世界であることを実感させられた。
……まぁ、グリフィスみたいなのは、別枠だけど。いや、規格外といった方が正しいかも。
「すみません。聞きたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
私が青年に気がつくと、こちらに向かって足早にやって来る。
禁書区画と一般書区画の間は、ホテルのロビー並みに広いスペースが取られていた。利用者だけでなく、職員の立ち入りも制限がかけられているため、このように分かり易くしているのだ。
けれどこの青年のように、時々ふらっとこちらにやってきてしまう利用者がいるのだと、ラモーナから聞いていた。
だから青年の聞きたいことには聞くとして、まずは先に、ここには近づかないように注意をしておかなければ。また迷い込んだら、困るのは青年の方である。知らなかったでは済まされない場所なんだから。
ラモーナから離れ、一般利用者が立ちいることができるギリギリのスペースのところまでやって来ると、突然、声をかけられた。
振り向いた先にいたのは、見知らぬ青年。だけどなぜだろう。どこか懐かしさを感じる。もしかしたら、彼の髪が茶色だったからかもしれない。
この世界の人たちは、私のいた世界の人たちとは違い、幅広い個性を持っている人たちが多かった。人や獣人、という見た目の差というのもあるけれど、髪の色もなかなかお目見えできない色ばかりで、ここが別の世界であることを実感させられた。
……まぁ、グリフィスみたいなのは、別枠だけど。いや、規格外といった方が正しいかも。
「すみません。聞きたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
私が青年に気がつくと、こちらに向かって足早にやって来る。
禁書区画と一般書区画の間は、ホテルのロビー並みに広いスペースが取られていた。利用者だけでなく、職員の立ち入りも制限がかけられているため、このように分かり易くしているのだ。
けれどこの青年のように、時々ふらっとこちらにやってきてしまう利用者がいるのだと、ラモーナから聞いていた。
だから青年の聞きたいことには聞くとして、まずは先に、ここには近づかないように注意をしておかなければ。また迷い込んだら、困るのは青年の方である。知らなかったでは済まされない場所なんだから。