召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
第19話 手を伸ばした先
「それで今日も、落ち込んでいるのですか?」
入浴を済ませた後、前回の反省を活かした私は、思い切ってグリフィスに今日の出来事を打ち明けた。
案の定というべきか、返ってきたのは、呆れた声だった。
「だ、だって、あっちでもこっちでもダメだったんだよ。これで凹まない方がどうかしているわ」
こんな愚痴をグリフィスにいう自分も、大概どうかしている。けれど帰り道に美味しいものを食べに行ったり、帰ってきたら帰ってきたで、お風呂上がりにカモミールティーを出されたりしたら、嫌でも愚痴が自然と口から出ていた。
「……アゼリアは、初めからなんでもできるのですか?」
「できるように見える?」
「いいえ。最初の頃、家事を手伝ってくれましたが、お世辞にも――……」
「あ、あれは! この世界の道具とか、家の中の物とか、何をどうしていいのか分からなかったからで」
けして掃除が下手だとか、洗濯の干し方がイマイチだったわけじゃない。だけどそれ以降、グリフィスがさせてくれないため、情報を上書きできないでいただけである。
入浴を済ませた後、前回の反省を活かした私は、思い切ってグリフィスに今日の出来事を打ち明けた。
案の定というべきか、返ってきたのは、呆れた声だった。
「だ、だって、あっちでもこっちでもダメだったんだよ。これで凹まない方がどうかしているわ」
こんな愚痴をグリフィスにいう自分も、大概どうかしている。けれど帰り道に美味しいものを食べに行ったり、帰ってきたら帰ってきたで、お風呂上がりにカモミールティーを出されたりしたら、嫌でも愚痴が自然と口から出ていた。
「……アゼリアは、初めからなんでもできるのですか?」
「できるように見える?」
「いいえ。最初の頃、家事を手伝ってくれましたが、お世辞にも――……」
「あ、あれは! この世界の道具とか、家の中の物とか、何をどうしていいのか分からなかったからで」
けして掃除が下手だとか、洗濯の干し方がイマイチだったわけじゃない。だけどそれ以降、グリフィスがさせてくれないため、情報を上書きできないでいただけである。