召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
第24話 グリフィスがいないこと
「アゼリア」
本日の仕事を終え、帰り支度をしている最中、ふいに後ろから声をかけられた。それも馴染みのある声に、私は驚いた。
だって彼女は、用事があるといい、今日の仕事は午前中だけだったのだ。そんな彼女がどうして定時で帰る私に声を? と思うのは無理のないことだった。私は恐る恐る振り返る。
「ヘルガ?」
やはりヘルガだ。長くて美しい青い髪を持っているのは、この図書館ではヘルガのみ。その鋭い眼光を覗かせる金色の瞳も。
「そっ。で、今、帰りだよね」
「うん。そうだけど、なんでヘルガがここにいるの? 今日は半休だって言っていなかった?」
「半休で用事を済ませたんだけど、その帰り道にグリフィスの店の前を通ったんだよね。それで――……」
「グリフィスに何かあったの!?」
どこか回りくどい言い方に、私は何かがあったんだと悟った。ヘルガの様子も変だし、わざわざ職場に戻って来る辺りなど、余計に怪しかった。
そんな私の態度に、ヘルガが慌てた様子を見せる。
本日の仕事を終え、帰り支度をしている最中、ふいに後ろから声をかけられた。それも馴染みのある声に、私は驚いた。
だって彼女は、用事があるといい、今日の仕事は午前中だけだったのだ。そんな彼女がどうして定時で帰る私に声を? と思うのは無理のないことだった。私は恐る恐る振り返る。
「ヘルガ?」
やはりヘルガだ。長くて美しい青い髪を持っているのは、この図書館ではヘルガのみ。その鋭い眼光を覗かせる金色の瞳も。
「そっ。で、今、帰りだよね」
「うん。そうだけど、なんでヘルガがここにいるの? 今日は半休だって言っていなかった?」
「半休で用事を済ませたんだけど、その帰り道にグリフィスの店の前を通ったんだよね。それで――……」
「グリフィスに何かあったの!?」
どこか回りくどい言い方に、私は何かがあったんだと悟った。ヘルガの様子も変だし、わざわざ職場に戻って来る辺りなど、余計に怪しかった。
そんな私の態度に、ヘルガが慌てた様子を見せる。