召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
第28話 再会した旦那様の姿に……
まどろみの中。いつもならこのまま夢の中へと意識が沈むのに、何かが警告して呼び覚まそうとする。けれど浮上する足を絡み取られたのか、下に下にと意識が引っ張られているように感じた。
このまま抗わずに、眠りに落ちれば楽になれるのに。何も考えず、縛られず、夢の中にいられたら、どんなに幸せだろうか。分かっているのに、私は瞼を開けて、上へ上へと目指す。
誰かが呼んでいるような気がするのだ。「アゼリア」と。私の名前は梓葉なのに、しっくりと私の心を満たす。グリフィスが名付けてくれた、異世界での名前。
「アゼリア」
再び聞こえると、今度は体にまとわりついていた重荷が消えたかのように軽くなった。これならもっと上へと行ける。
ふと、横を見ると、私と一緒に浮上する白いウサギの姿が目に入った。そのウサギは私の方を見ると、すぐに追い越して行ってしまう。まるで、ついて来て、と言っているかのように感じる。
ずっと傍にいてくれていたような白いウサギ。もしかして、さっきまで重いと感じていたものを持って行ってくれたのかな。だったら、信用していいかもしれない。
そう思った瞬間、白いウサギの姿が目の前から消えた。心細さを感じていると、再び私を呼ぶ声が聞こえた。
「アゼリア」
今度はハッキリと分かる。この声はグリフィスだ。いつだって私が望んでいると、素知らぬ顔で叶えてくれる。私の素敵な……旦那様。
だから今回も願うよ。
「グリフィス」
このまま抗わずに、眠りに落ちれば楽になれるのに。何も考えず、縛られず、夢の中にいられたら、どんなに幸せだろうか。分かっているのに、私は瞼を開けて、上へ上へと目指す。
誰かが呼んでいるような気がするのだ。「アゼリア」と。私の名前は梓葉なのに、しっくりと私の心を満たす。グリフィスが名付けてくれた、異世界での名前。
「アゼリア」
再び聞こえると、今度は体にまとわりついていた重荷が消えたかのように軽くなった。これならもっと上へと行ける。
ふと、横を見ると、私と一緒に浮上する白いウサギの姿が目に入った。そのウサギは私の方を見ると、すぐに追い越して行ってしまう。まるで、ついて来て、と言っているかのように感じる。
ずっと傍にいてくれていたような白いウサギ。もしかして、さっきまで重いと感じていたものを持って行ってくれたのかな。だったら、信用していいかもしれない。
そう思った瞬間、白いウサギの姿が目の前から消えた。心細さを感じていると、再び私を呼ぶ声が聞こえた。
「アゼリア」
今度はハッキリと分かる。この声はグリフィスだ。いつだって私が望んでいると、素知らぬ顔で叶えてくれる。私の素敵な……旦那様。
だから今回も願うよ。
「グリフィス」