召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
第30話 対峙する二つの勢力
禁書区画に着くと、事態は思った以上に深刻だった。
いつの間にそこまで侵入されたのか。この世界に来た時に見た、黒いフードの男たちが入り口付近を陣取っていた。
対面しているのは、白衣を着た灰色の髪の人物。男性のように短い髪を見て、すぐにそれが禁書の番人、ラモーナ・フェルセだと分かった。
となると、その周りにいる人物たちは図書館の職員だろうか。すべての職員の顔と名前を把握していないから、確信は持てないけれど、その中に、相談所であの行列を捌いている男性を見つけることができた。
良かった。相談所にいなかったから心配していたけど、先に禁書区画へと向かっていたのね。
私はさらに前に出て、黒いフードの男たちを背に、まるで代表だと謂わんばかりに堂々と立っている人物に目を向けた。すると、隣にいたグリフィスが「これ以上は……」と私の視界を遮るようにして前に出る。
力も何もない私が、魔術師たちの戦闘に割って入ることが、如何に危険なのか。それは私自身がよく分かっている。だけど、完全な部外者じゃないんだから、出て行く権利はあると思った。
心の中でグリフィスに謝りながら、私は別の人物の名前を呼ぶ。
「マックス!」
いつの間にそこまで侵入されたのか。この世界に来た時に見た、黒いフードの男たちが入り口付近を陣取っていた。
対面しているのは、白衣を着た灰色の髪の人物。男性のように短い髪を見て、すぐにそれが禁書の番人、ラモーナ・フェルセだと分かった。
となると、その周りにいる人物たちは図書館の職員だろうか。すべての職員の顔と名前を把握していないから、確信は持てないけれど、その中に、相談所であの行列を捌いている男性を見つけることができた。
良かった。相談所にいなかったから心配していたけど、先に禁書区画へと向かっていたのね。
私はさらに前に出て、黒いフードの男たちを背に、まるで代表だと謂わんばかりに堂々と立っている人物に目を向けた。すると、隣にいたグリフィスが「これ以上は……」と私の視界を遮るようにして前に出る。
力も何もない私が、魔術師たちの戦闘に割って入ることが、如何に危険なのか。それは私自身がよく分かっている。だけど、完全な部外者じゃないんだから、出て行く権利はあると思った。
心の中でグリフィスに謝りながら、私は別の人物の名前を呼ぶ。
「マックス!」