召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
第37話 初めて会った場所
「それで、要はこの慈善バザーで、新しいタロットカードを探したい、ということでいいんですね」
「う、うん」
返事をしながら、隣を歩くグリフィスを見る。幸せオーラを体全体から放っているその姿は嬉しく感じるものの、視界に入る女性陣の視線のことを考えると、なんとも言えなくなった。
今までも「ねぇ、見た? 今の人、凄くカッコよくない?」とか「隣の人、彼女かな」とかはあったから慣れているけれど、その時と今とでは状況が違う。想いが通じ合った後だと、「あぁいうパッとしないのがタイプなのかな」という否定的な言葉は、純粋に胸に刺さる。お陰で、グリフィスほど幸せ感を味わえなかった。
「あまり乗り気ではなさそうですが」
「えっと、なんていうか……まぁ」
乗り気ではあるんだけど、外野の声が気になって、なかなか楽しめなかった。グリフィスは逆に、目もくれない。
「周りの声が気になるというのなら、ウサギになりましょうか?」
「えっ!」
「アゼリアは好きでしょう? ウサギの方の私も」
グリフィスの言う通り、ウサギの姿の方は別の意味で好きである。まさか嫉妬しているの? と一瞬過ったが、グリフィスの表情を見ていると違うような気がした。
それさえも嬉しそうな顔をするんだから。でも、今日はそういう気分じゃない!
「う、うん」
返事をしながら、隣を歩くグリフィスを見る。幸せオーラを体全体から放っているその姿は嬉しく感じるものの、視界に入る女性陣の視線のことを考えると、なんとも言えなくなった。
今までも「ねぇ、見た? 今の人、凄くカッコよくない?」とか「隣の人、彼女かな」とかはあったから慣れているけれど、その時と今とでは状況が違う。想いが通じ合った後だと、「あぁいうパッとしないのがタイプなのかな」という否定的な言葉は、純粋に胸に刺さる。お陰で、グリフィスほど幸せ感を味わえなかった。
「あまり乗り気ではなさそうですが」
「えっと、なんていうか……まぁ」
乗り気ではあるんだけど、外野の声が気になって、なかなか楽しめなかった。グリフィスは逆に、目もくれない。
「周りの声が気になるというのなら、ウサギになりましょうか?」
「えっ!」
「アゼリアは好きでしょう? ウサギの方の私も」
グリフィスの言う通り、ウサギの姿の方は別の意味で好きである。まさか嫉妬しているの? と一瞬過ったが、グリフィスの表情を見ていると違うような気がした。
それさえも嬉しそうな顔をするんだから。でも、今日はそういう気分じゃない!