休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。
11.ディナーを最高に
夜七時半、私と古賀さんはあるイタリアンのお店で向かい合って座っていた。

古賀さんのお店のように個室ではないけれど、仕切りはしっかりと付いていて、私のお気に入りのお店で味もとっても美味しいお店。

平日で運が良かったのかお客さんはまだ殆どいなくて……隣の席も空いている。

良かった、これなら告白の返事をしても周りに聞こえなさそう。

「ここが夏奈ちゃんのオススメのお店?」

「はい……! 好きすぎて、会社に入ったばかりの給料日はご褒美に毎月来ていました」

「ははっ、かわい」

だからサラッとそう言うこと言わないで……!と私の心がツッコミを入れているが、なんとか心をおさめて私は古賀さんに聞きたかったことを聞いた。

「古賀さんは初めて会った時の自己紹介の時におにぎり屋さん巡りが趣味だと言っていましたよね? 何おにぎりが好きなんですか?」

「……ふはっ」

「古賀さん?」

「いや、俺のことをもっと知ってから返事をしたいって言われたから何を聞かれるかと思って身構えていたら……おにぎりの具の話…ふはっ」

「バカにしてますか……!?」

「してないしてない、ははっ!」

「絶対にしているじゃないですか!」

古賀さんは楽しそうに目尻に涙を溜めて笑っている。

笑われていて悔しいのに、古賀さんが笑ってくれて嬉しいよな……いやいや!
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