幼馴染の執着は甘く蕩ける〜私をフッた外交官が、結婚したら毎夜猛愛を貫いてきまして……?
三章 意地悪で優しい幼馴染との新婚生活
港区に構える地上五十階建てのオフィスビルの一角。
国内でも大手商社として有名な竹本商事は、その二十階から二十五階に渡って入居している。
私は大学を中退してから、七年ほどここの海外事業部に勤めている。仕事はやりがいがあって楽しいし、人間関係だって悪くない。お給料だっていいし、充実した生活により、もう夢に未練を抱くことも少なくっていた。
だけど、ここ今……ちょっとだけ、困った事態に陥っていた。
「……ええ⁉ 相田さんが残業エッチしているのを見かけて、そのまま破局……その後、初恋の幼馴染と再会してエッチが気持ちよくて流されるままに結婚しちゃった⁉ イベントありすぎじゃない⁉ ……あ、お兄さんの為だっけ?」
「えっと……もうちょっと、声を小さく……オブラートに包んでくれるかな……?」
お昼時の社員カフェは、入居するオフィスの女子社員たちでとても賑わっている。言葉を選ばない目の前の同僚の由香に、とりあえず突っ込んでおいた。