幼馴染の執着は甘く蕩ける〜私をフッた外交官が、結婚したら毎夜猛愛を貫いてきまして……?
四章 嫉妬で狂いそう




 
 一週間が過ぎ、懇親会の日を迎えた。
 世間は五月の大型連休でにぎわっているけれど、海外との取引が多い竹本商社にそういったものは存在しない。各自連休後に有給休暇を申請して連休を取るシステムが主流となっている。

 そんな金曜日の午後、仕事を終えた足で、私は由香と会場となっているリゾートホテルに向かっていた。
 会社から徒歩数分。本日は、通常よりも少しだけ早く終業となり、各々現地に赴くこととなっている。


「今回の料理、楽しみ~。海外事業部が補助に入ると、メニューが豊かなのよね」


「うちの部署グルメが多いからね、今回は出張から戻って来たメンバーも多くて、さらに期待できるよ。……まあ、私は買い出し係だったから、ビンゴの景品買い出しくらいしかしてないけど」


 受付を済ませ大広間へ進みながら、ふたりで笑い合う。
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