家族になった来栖くんと。
知らなかった来栖くんと。




「はあ…」


「…………」


「……はあ」


「…………」


「…はあ」



デミグラスソースたっぷりのハンバーグ。

3種のとろけるチーズをトッピングにすると、オーブンで少しだけ焼いてとろとろにしてくれるサービス付き。


サラダとスープも付いて、お得感満載。


なんて素敵な夕飯なんだろう。
これがお兄ちゃんのお嫁さんメニューである。



「…緋彩くん」


「下手に声かけないほうがいい。放っておけばどうせ本人も忘れてるさ」


「でも…もう25回目よ」


「姉さん、30回は超えてる」



私を置いてけぼりにしてそんな会話が繰り広げられていることすら、なんと気づかない私である。



「つぐ」



そしてとうとう真剣な声でお兄ちゃんに呼ばれた。

ゆっくり顔を向けてみると、これまた真面目フェイス。


鼻筋と唇が私たち兄妹はそっくりだと、昔からご近所さんに言われてきた。


そんな私を見守る、来栖姉弟。



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