家族になった来栖くんと。
消えてくれない来栖くんと。




「つぐみはどっちに行きたい?できれば混まないほうがいいでしょ?」


「小さなお祭りでも私は全然……」


「俺も俺も。あ、でも1コわがまま言っていい?」


「わがまま…?」


「うん。つぐみの浴衣姿…見たいかも」



手をつないで歩く帰り道は、まだ慣れというものは来ない。


行き場を失う私の右手を、当たり前のように拾ってくれるのは北斗くんのお得意だった。


寄り道はショッピングモールへ行ったり、オススメだというカフェへ行ったり。

それこそ2人きりの遊歩道を歩いたりと、様々なシチュエーションがやってくる。



「…浴衣、買わなくちゃだね」


「え、ごめん。それってわざわざ俺のために買ってくれるやつ?」


「うん。もちろんだよ…?」


「………そりゃ、ぜひ」


「ふふっ。申し訳ないとかじゃないんだ」


「いやー。ちょっと欲望に忠実になったね、さすがに」



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